[ブックガイド]古代哲学編

ここでは、各哲学者に関する解説のなかで取り上げた著作(翻訳)とは別に、入門者にとって有益な書籍を紹介したい。

まず、古代哲学史全体を見渡した概説書として優れているのは、『ギリシア哲学史』(加藤信朗 著)である。
古代ギリシア哲学の歴史における本質的な部分に注目して書かれているのが特徴である。
ただし、本書は、あくまでも大学教育用の概説書なので、教養を身につけるという目的で読むには、ややハードルが高い。
そうした方は、『ギリシア哲学史』を読む前に、『面白いほどよくわかるギリシャ哲学』(左近司祥子、小島和男 著)で予備知識を身につけておくとよいだろう。

一方、ギリシア哲学を、“遠い昔の思想”としてではなく、現代に関わる思想として描いたのが『哲学の原風景』(荻野弘之 著)と『ギリシア哲学入門』(岩田靖夫 著)である。
『哲学の原風景』で取り上げられているのはソクラテス以前の哲学者までだが、哲学生成の“現場”が、現代哲学までをも見据えたスタンスで描かれているのが特徴である。
『ギリシア哲学入門』は、ギリシア哲学全体を概説した入門書というよりも、ギリシア哲学を長年研究してきた著者がギリシア哲学をもって現代を問うという内容になっており、問題意識をもって興味深く読むことができる。

さらに、詳しく学習したい方であれば、ソクラテス以前の哲学者については『ソクラテス以前の哲学者』(廣川洋一 著)、ソクラテスについては『増補 ソクラテス』(岩田靖夫 著)、プラトンについては『プラトンの哲学』(藤沢令夫 著)、アリストテレスについては『アリストテレス』(今道友信 著)、ストア派、エピクロス派、懐疑派については『ヘレニズムの思想家』(岩崎允胤 著)が、それぞれ有益である。

なお、哲学者たちの人間像にも触れたいのであれば、『ギリシア哲学者列伝 上』『ギリシア哲学者列伝 中』『ギリシア哲学者列伝 下』(ディオゲネス・ラエルティオス 著)がオススメだ。
3世紀を生きた著者ラエルティオスが、タレスからエピクロスまで82人の哲学者を取り上げ、“正統の”哲学史の文献ではなかなか窺(うかが)い知ることができない側面に言及している。

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