エピクロス派(Epicureanism)

エピクロス派」は、ストア派と同じ時代に活動し、ストア派と同じように心の安らぎを得て幸福になる方法について考察した。
ちなみに、エピクロス派の創始者はエピクロス(B.C.341頃〜B.C.270頃)であるが、その哲学はエピクロスによってほぼ完成している。

エピクロスの哲学のベースにあるのは、デモクリトスの原子論である。
世界は、空虚と、そのなかを運動する原子とから構成されている。
原子は形状と大きさと重さを持ち、原子同士の衝突によって万物が生成する。
実は、人間の魂や身体も、こうした原子の運動の結果として構成されたものである。
そのため、死は、原子が離散することに他ならない。
生きているあいだは死はなく、死んだときには原子が離散して魂や身体はなく、自分はいないのだから、死は恐れるに足りない。

エピクロスはこうした考え方にもとづき、生きているあいだにどれだけの「快楽」を実現することができるかを重視した。
ただし、「快楽」と言っても、たんに欲求を満足させることが善いと主張したわけではない。
肉体的な快楽よりも精神的な快楽、目の前の快楽や一時的な快楽よりも長続きする一生涯の快楽を実現するように努めなければならない。
そのためには、身体が健康な状態であることと、心に乱れがないこと=「アタラクシア」が重要である。
そう唱えた。

こうしたエピクロスの哲学は、ローマ時代の詩人ルクレティウス(B.C.99頃〜B.C.55頃)に伝えられるなど、後世に継承されていった。

◀︎ ストア派
懐疑派 ▶︎

【西洋哲学史と倫理学のキホン:目次】

管理人のサイト「QLOCOZY」へ