教父哲学(patristic philosophy)

中世のヨーロッパでは、380年にローマ帝国がキリスト教を国教としたことに象徴されるように、キリスト教の勢力と影響力が増し、キリスト教の司教といった有力者たちが「神」を“出発点”とした哲学を展開していった。
こうした特徴を持つ哲学は、4世紀から14世紀もしくは15世紀まで続き、「中世哲学」として区分される。
さらに、中世哲学は、「教父哲学」と「スコラ哲学」に大別される。

「教父哲学」の「教父」(パトレス)というのは、「教会の父」のことである。
初期のキリスト教は、激しい論争を繰り広げた異宗教に対して、キリスト教(教会)が論理的・理論体系的に優れていることを示す必要に迫られていた。
そうした時期にキリスト教を理論的に守った信仰者に対して、のちに「教父」という呼び名が与えられたのである。
なお、「教父」と呼ばれるには、以下の4つの条件を満たしていることが必要とされた。
(1)古代性を備えていること(2世紀から8世紀くらいまでの人物であること)
(2)正統的な教義に属していること
(3)生活が聖なるものであること
(4)後世の教会に言説が引用されている人物であること

教父は、さらに、何の言語を用いて著作を著したかによって、「ギリシア教父」「ラテン教父」「シリア教父」「コプト教父」というように区別される。
このうち、ギリシア語で著作を著した教父と、ラテン語で著作を著した教父が、他の言語を用いた教父よりも圧倒的に多く、また、キリスト教会の歴史に大きな影響を与えたため、教会は「ギリシア教父」と「ラテン教父」を特に重視した。

こうした教父たちは、それまでの哲学者の説とキリスト教の教えとのあいだにどのような関係があるかという問題に関心を持っていた。
そして、キリスト教を哲学として体系化し、キリスト教教義を確立しようと尽力したのである。

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