トマス・アクィナス(Thomas Aquinas):神学と哲学の関係

トマス・アクィナスは、『神学大全』のなかで、神学と哲学の関係について論じている。

トマス・アクィナスによれば、学問は2種類に分けられるという。
1つは、数学や幾何学のように、自明の原理から出発する学問で、もう1つは、幾何学にもとづく光学のように、上位の(学問の)原理にもとづく学問である。
それでは神学はどちらの学問かと言えば、神の啓示にもとづく学問であるので、上位の原理にもとづく学問だとされる。
つまり、神学は、徹頭徹尾(てっとうてつび)、神の言葉を宣べ伝えている聖書を解釈する学問なのである。

それでは、哲学はどういう学問であるのか?
それは「神学の婢(はしため)」であるとトマス・アクィナスは言う。
つまり、哲学は、神学の下位に位置づけられる学問であり、神学の範囲を越え出ることはできないのだという。

このように考えたトマス・アクィナスは、哲学というのは「自然の光」=理性による自立的な営みによって哲学的な真理(形而上学的な原理)に到達することはかまわないが、その真理はあくまでも人びとを神の恩寵に導くためのものでなければならず、哲学的な真理は自然を超越した宗教的な真理によって完成されるのだとした。(※1)

(※1)哲学的真理と宗教的真理を区別して捉えるトマス・アクィナスの考え方を「二重真理説」と呼ぶ。

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